肉体のケア

有機JAS認証やオーガニックの基準とは?その安全性と選び方

「オーガニック」「有機栽培」という言葉が、一般的に聞かれるようになってきました。

しかし、オーガニックという言葉や認証マークがついていれば安心なのでしょうか⁉🤔

今回は「オーガニック」や「有機栽培」というものの実態について書きたいと思います✨

オーガニックの基準について

「オーガニック」は、「有機栽培」と同じ意味

海外製品などで頻繁に使われる「オーガニック」という言葉

これは一般的に、「有機栽培(農業)」と同じ意味で使われています。

オーガニック製品は基本的に、添加物が使われていない製品や、有機栽培原料によって作られた製品をさしています。

有機栽培とは?

有機栽培とは、農薬や化学肥料に頼らず、太陽・水・土地・そこに生物など自然の恵みを生かした農林水産業や加工方法をさしています。

農業における「有機」とは、主に肥料に使われる「堆肥」のことです。

有機肥料というのは、動物の糞尿や生ゴミ堆肥、米ぬか、油カスなどの、有機物を原料とした肥料です。

なかでも、動物性肥料(糞尿)は、有機栽培の多くに使われています。

世界のオーガニック基準は様々

iherbや輸入雑貨店で扱われている海外製品の中にも、オーガニックのものがたくさんあります。

「オーガニック」の基準は、国や認証機関によって異なっています。

下に、アメリカとドイツのオーガニック認証の例をあげておきます。

アメリカの「USDA(米農務省)オーガニック」

アメリカには、農務省が定める「USDAオーガニック」という認証制度があります。

基本的には日本とほぼ同等の基準になっています。

ドイツの民間認証機関「DEMETER(デメター)」

ヨーロッパでは、EU共通のオーガニック認証の他に、国や地域ごとの基準や民間認証機関が多数あります。

ドイツの最も古い民間認証機関である「DEMETER(デメター)」は、「バイオダイナミック有機農法」を中心とした厳しい認証基準を設けています。

日本の「有機JAS」の認定基準とは?

日本では、商品に「有機栽培」や「有機野菜」などと表示するには、農林水産省が定める「有機JAS認証」を取得しなければいけません。

有機JAS規格という認証制度です。

有機JAS規格では有機農産物を「生産から消費までの過程を通じて化学肥料・農薬等の合成化学物質や生物薬剤、放射性物質、遺伝子組換え種子及び生産物等をまったく使用せず、その地域の資源をできるだけ活用し、自然が本来有する生産力を尊重した方法で生産されたもの」と定義しています。

細かい認定基準がたくさんありますが、以下3点にまとめられます。

有機JASの認定基準

約3年以上、指定された合成化学肥料・農薬を使用していない
遺伝子組み替え技術(種)を使用しない
畑への農薬・化学肥料の飛散がない

商品自体にマークや表示をすることは禁止されていますが、虚偽がなければ「有機栽培」と広告・宣伝することは可能です。

「有機JAS認定」が安全とは限らない理由

遺伝子組み換え肥料の問題点

有機JASの認定基準では、「遺伝子組み換えの種」を使われることは禁止されている一方で、遺伝子組み換え由来の肥料の使用については許可されているのです。

合成肥料の代わりに有機肥料を使うことは、必ずしも安全とは言えないかもしれません。

特に多いのは、遺伝子組み換え飼料で飼育された動物の堆肥(糞尿)です。

その他に、 菜種油カス・大豆油カスなどに遺伝子組み換え原料が使用されていることもあります。

その結果、有機栽培にも関わらず、健康被害が心配されている硝酸態窒素が多く発生してしまうことにもなります。

過剰な肥料により窒素過多の状態で育った野菜は、苦味が強かったり色が濃いのが特徴です。

有機栽培は、無農薬とは限らない

「有機栽培=無農薬」と考えられやすいのですが、日本の有機栽培では農薬の使用が認められています。

基本的に農薬は使用しないことになっていますが、指定された約30種類の農薬の使用は許可されています。

実際には、これらの農薬を使用している生産者も多いようです。

「認証」や「オーガニック」が重要なのではない

生産者によるという現状

このように、農薬を使用するかどうか、動物性肥料を使うかどうかは生産者によって異なっています。

中には独自の基準を別に設けて、「動物性肥料不使用」「農薬不使用」など、細く表示している生産者もいます。

一方で、イメージを目的としたカタチばかりの「有機栽培」で最低限の基準で栽培を行なっている場合もあります。

一言で「オーガニック」「有機栽培」と言っても、その環境は様々なのです。

「有機JAS認定」へのハードルが高過ぎる

有機JAS認証を取得するには、栽培技術以外にも多くのコストや手間がかかります。

認証を取得するには、日々の栽培日誌など様々な提出物や、厳密な規定があります。

毎年の更新費用や審査費用、有機JASマークのシール代・パッケージ代などもすべて生産者の負担なのです。

そのため、実際には有機栽培と同じかそれ以上の基準で生産をしていても、あえて有機JAS認証を取得しなかったり、更新できない生産者も多くいるのです

認証の有る無しで判断しない

もちろん認証されているものを否定したいわけではありません。

市販で売られている他の製品と比べたら、安心できるものがほとんどだと思います。

しかし、必ずしも「オーガニックだから安心」「マークがないからダメ」ではないのです。

「オーガニック」だからといって、同じでもありません。

「農薬を使用したオーガニック製品」も、「基準以上にこだわったオーガニック製品」も、同じ「オーガニック」という枠に分類されてしまうのです。

まとめ

ここまで読んでみて、

じゃぁ結局、「何を選んだらいいのかわからない」と思う方もいるかもしれません。

私自身は、「完璧である必要はない」と思っています。

むしろ、完璧なものなど存在しないかもしれません。

基準が曖昧なものを気にして、「オーガニックかどうか」に神経質になる必要はないと思うのです。

「JAS認証」や「オーガニック」という言葉に振り回されず、美味しいものや安心できるものを少しずつ取り入れていったら良いのではないでしょうか。

大事なのは、「どんな環境でつくられたのか」「どんな生産者によって作られているのか」に、自分自身で目を向けることです

私は、食べ物を選ぶとき、どんな人・環境によって栽培されたのか、生産者の想いを見るようにしています。

そういった「裏側」に目を向ける消費者が増えることで、本当に良いモノが広まっていくのではないか、と考えています。

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